Vivy -Florite Eye’s Song-

 WIT STUDIO制作のオリジナルアニメーション。2021年4月から1クール放送。

 概ねクオリティが高く面白いのだけれど、スタジオと題材のポテンシャル的にもうちょっとやれたのではとも思ってしまう作品だった。

 作画、演出、音楽などは文句のつけようもないので、シナリオ周りの感想など。

 タイムトラベルによって破滅の未来をやり直す、AIが歌で人を幸せにするというふたつの王道設定を組み合わせたものがこの作品の基本的な構造なっている。この2つが交錯するクライマックスとして用意されたのが人類を滅ぼそうとするAIと、AIの歌という要素なのだけれど、サブエピソードがよかった反面こちらへの伏線は物足りなかった。終盤の出来事自体もあまりにも新規性に欠けていて、絵的な盛り上がりにも欠ける結果になって今ひとつというところ。

 そこに至るまでのサブエピソードはどれもよかったのだけれど、終盤に繋がる要素が小さくてもう何話かあれば違ったのだろうかとも思う。冒頭から終盤の展開で引っ張ったのだから、この問題に目をつむることは出来ない。というわけで、よかった点が多い故に一個の欠点が目立つというような感想になってしまった。本当に惜しい。