錬金術師の密室

 高慢で身勝手な美貌の女錬金術師テレサは、自身と同じ世界に七人しか存在しない錬金術師の一人、フェルディナント三世が解明したという第四神秘のお披露目にお目付け役の軍人エミリアと共に出席する。だが、式典の前夜、フェルディナント三世は三重の警備の密室で殺害された。完全な密室での事件であることからテレサが犯人に疑われ、タイムリミットが設けられた中エミリアは調査を開始する。

 錬金術×密室ミステリー。著者は本作が3作目だそうで、ミステリー作の出版は初めてとのこと。錬金術周りはルールが明示されるし、昨今のファンタジー作品の大量供給で読者側も慣れているので推理の醍醐味が削がれるようなことはない。

 キャラクター要素が強くややライトノベルに近い雰囲気も含みながら、説明が軽快で全体としてテーマに比して読み味が軽めでありながら、しっかりとした設定や確かな推理パート、どんでん返し、軽妙なやり取りなど読みたい部分をきっちり押さえていて、完璧な第一巻という印象。

 今後の布石も多く仕込まれており、続刊も(ナンバリングはないが)出ているとのことなので読んでみたい。