Fate/strange Fake 1

Fate/strange Fake (1) (TYPE-MOON BOOKS)

Fate/strange Fake (1) (TYPE-MOON BOOKS)

Fate/strange Fake (1) (TYPE-MOON BOOKS)

 

 

 積ん読消化月間。

 

 過去の偉人を蘇らせる決闘というよりオカルトバトル的な雰囲気さえある聖杯戦争

 とにかく異形のサーヴァントが多いのだけれど、漫画という具象で実体のないものを表現するためにホラー的な手法が駆使されていて、これが英霊をただの強力な戦士にしない効果を生んでいて物語の奥行きを生んでいる。

 ホラー的手法とは例えば、恐怖の対象そのものではなくそれを見た人間の反応を描くなど周辺の描写にあるけれど、この不気味さが聖杯戦争の持つべき奇しさを引き出している。

 

 個人的な妄想なのだけれど、聖杯戦争は怪しく不気味であるほうが面白い。

 随分派生作品が増えてどういった設定がどう作用するのか比較できるという状況にあるのだけれど、そもそも万能の願望器のために英霊を蘇らせ命を賭けた決闘を行うという行為自体が尋常ではない。シリーズが続いてこっちも麻痺してくるんだけれど、その時点で正気ではないのだ。

 逆にその正気でなさが描写されなかった場合、聖杯戦争が持つ万能の願望器への願いという根底が、現実離れした狂人の戯言になりかねない。そもそも尋常でないという地盤を描写し損ねてしまったら、どうしても軽さが出てしまう。(それが持ち味になることもあるけれど)

 例えばApocryphaのダーニックがヴラド三世に令呪を使ったシーンは典型的な狂人の戯言で、願望器にかける切実な願いとしての重みに欠けるのは非魔術師の視点がなく、そもそも普通ではないという基礎となる視点が欠けているからだ。(まあapoはそれはそれで好きなのだが)

 ものすごく要約すると普通でないことを描くときは一般人の視点を入れようという基本的な物語構築の話になってしまうのだけれど、ホラーという手法は非常によく機能している。