チェンソーマン 9

チェンソーマン 9 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

 

 ヲタクは薄い人間関係で生きているから濃密な関係の生じる共同生活モノに弱い。(冒頭悪口)

 

 銃の悪魔の、死者の名前がずらっと書かれる手法は十分に論じられているので置いておいて、早川アキのドラマに注目すると、家族を失って冷酷なデビルハンターとなった彼は疑似家族ができて情が移り、丸くなってデンジとパワーが助かる方法を模索した結果最悪な形の死を遂げている。

 抽出するとわりとある展開なのだけれど、ではどうして物語において情が移ると死ぬという展開がままあるのだろうか。

 ひとつには視聴者の代理というのがあると思う。つまり視聴者に特定のキャラクターを好きにならせるためのカメラ役だ。読者がキャラクターを好きになるという体験を代理するための存在で、我々はそのキャラクターにシンクロして対象を好きになる。この役割の人物はキャラクター側からも好きになられている場合が多々あるので、キャラクターを苦悩させたいとき死なせるというのは効果的だ。読者はキャラクターの心理に興味がある。心理変化を生み出すために与えて奪うのだ。

 このは神の視点の話なのだけれど、おそらくマキマも同じ感想を抱いている。支配の悪魔とは作品世界を支配している作者と読者なのだ、などというマイトガインを思い出すような妄想はさておいておく。(もしかしたら当たるかもしれないが)