天晴爛漫! 1~12

※ネタバレあり

 

 現在12話まで放送済み、全13話。

 

 2話まで見ていたけれどコロナで放送の間隔が空き、それ以来見ていなかったのだけれど、たまたまニコ動で最新話を見てあれ面白いじゃんと追いかけた。(イマココ)

 明治初期、機械好きの主人公が蒸気船を作って日本を出て、アメリカに渡り大陸横断レースに参加するというのが大筋。ストーリーは大まかに、主人公コンビがアメリカに渡るまで(1~2話)、大陸横断レースに参加する面々が登場しそれぞれ動機を持ちながらレースに参加、各々のドラマを解決しながらレースで競い親睦も深めていく(3~8話)、箸休めのギャグ回(9話)、レースを妨害する真の敵と皆で戦う(10~13話)。

 制作はP.A.WORKS。オリジナル作品なのだけれど、同じくP.A.WORKSのオリジナルで期待していたフェアリーゴーンが万人にはお勧めできない出来だったので当初不安混じりに見ていて、やや具体性に欠ける理由で日本から出た主人公の行動原理に大丈夫かなと思いながら見ていたのが4月頃。

 

 で、12話時点での感想なのだけれど、予想していたよりずっと面白い。どこでこんなに面白くなったのか不思議にさえ思えるシナリオなんだけれど、このあたりはシナリオが突出しているというよりキャラクターの描写が丁寧でかなりバランスに気を使っているからだろう。レースが舞台だけれど競争そのものに重点はなくて、なんなら車で競っているより剣やら銃で戦っているほうが多いくらい。

 じゃあこの物語は何をしているのか、面白さは何処から生じているのかなのだけれど、そもそもこの作品におけるレースは、「自動車黎明期のアメリカ横断レース」であり、単なる競争というより新時代の夜明けの色合いが強い。主人公も元々レースに興味があってアメリカに渡ったわけではなく、機械への興味から行動している。

 よってこれは競争が主題なのではなく、自動車時代の夜明けとなるアメリカ横断レースに挑むという、挑戦と冒険の物語なのだ。今いる世界から飛び出し新しい時代を切り開く冒険こそが主題なのだと思う。敵役の動機が自動車の時代が来るのを妨害する鉄道関係者というのも直球だし。

 とすると、序盤のゆっくりとした展開も頷ける。何かに追われているわけでもない人間が外の世界へ危険を冒して冒険に出るというのは説得力を持たせるのが難しい。ましてやテクノロジー以外のことにあまり興味がない主人公のキャラクター性では難しいために、尺を割き丁寧に描写することでこの話を成立させたのだろう。全体像が見えると脚本周りの周到さと忠実に表現した演出が見えてくる。

 主人公のテクノロジー以外に興味が薄い没頭型の人物像は、「他の技術と掛け合わせることで発展し新たなことができるようになる」という技術の性質と、探求と冒険を通じて「他人と交流することで人間的にも成長しこれまでにないことを成し遂げる」というドラマで相似を描いており、こちらもシナリオ構成として美しい。

 

 全体として作画も美しいし、「RD 洗脳調査室」を思い出すような男性は細マッチョで女性はむっちり体型も画面や物語と調和している。設定の史実とハッタリのバランスもいい。(結構時代が前後するものが登場するが、キャラクターのハッタリが強すぎて気にならない)

 というわけで割と楽しみに最終話を待っている。