鬼滅の刃 21

鬼滅の刃 21 (ジャンプコミックスDIGITAL)

鬼滅の刃 21 (ジャンプコミックスDIGITAL)

鬼滅の刃 21 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

  鬼舞辻無惨 on STAGEな21巻。

 

 我々の社会は繋がりを良いものとしているから、それを否定するような孤独な悪役というのは造形としてよくあるのだけれど、無惨様は繋がりを肯定や否定する以前の問題で、どこまでいっても自分の生死だけを問題にする価値観にいてそれが生まれの不運ではあったんだろうな、など。

 続刊の話になってしまうけれど、結局彼はどこまでいっても生まれ損なった赤ん坊で、変わることはなかった。

 逆に、というか(それこそ異常者の集まりと揶揄されるほど)鬼殺隊の価値観は我々と比べてもあまりに儚い。大正時代が舞台ということを加味しても鬼殺隊は全員が自分の命を軽く扱っている。主人公の側であり正義があるとはいえ、それは行き過ぎではと思うシーンは多々ある。

 悪は時に現実主義であり、正義はあまりに理想や観念に走りすぎていて「悪役の言い分に共感してしまう」というのは娯楽作品で多々あるし鬼滅も半歩踏み入れている。それでも鬼殺隊に分があるのはあまりに無惨の言い分が短絡で簡潔で、鬼滅が無惨を倒してすっぱり終わってしまったのは、彼の敵なりの矜持が誰にも継承されないほど極端に孤立していたからなのだろうか、と思ったり。